スワップ派の為替マーケット分析

カナダ中銀は利上げ、日銀は据え置き

カナダ中央銀行の政策金利が発表され、0.25%の利上げが決定されました。市場参加者の多くはこの利上げを見込んでいたこともあってカナダドルへの買いが集まっていましたが、結果の発表で材料出尽くし感が高まり、1.04ドル台で推移していたドルカナダは、1.05ドル台に押し戻されています。対ドルでは底堅さを見せていた1.06ドル辺りを下抜いてカナダドル買いが活発になり、「1ドル=1カナダドル」を目指すのではないかという思惑も先行していることからカナダドル買いが先行しており、対円でも一時的に118円台まで上昇する場面が見られました。

 

原油高を発端として利上げ期待感からのカナダドル買いが進んでいましたが、ほとんど織込み済の利上げ結果を受けて、一旦は利食い売りが先行しているようです。今後も利上げを継続的に行なうことを含んだ声明もあることから、1.06ドル手前では戻りのドル売りが先行すると思われいます。また、米国・カナダとの金利差は0.75%と1年ぶりに1%の金利差から縮小となっています。それ以前の金利差は0.75%と1%の繰り返しですが、2005年1月以前はカナダの方が金利高となっており、金利差が今とは逆転している状態が長く続いていました。

 

2005年以前のドルカナダ相場は、2003年の1.60ドル台から継続してカナダ買いが強くなり、2005年1月には1.20ドル台に突入、その後もじわじわとカナダドルに買いが集まり、今に至ります。今後、カナダの利上げが行われる中で米国の利下げが行われると再び金利差が逆転し、カナダドル買いが今まで以上に活発になり、1.00ドルを割り込む可能性もあります。短期的には1.0580〜1.0600ドルでの限定的な動きになると思われます。

 

ドルカナダチャート

 

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズのサブプライム向けローン担保証券の格下げをきっかけとした「プチドル暴落」はサブプライムローン問題自体に目新しさはなかったですが、遅れて発表されたIMMポジションを見てもわかるように、円売りポジションが溜まっているところに中東勢が大量にドルを売ったことから円ショートのストップオーダー、ユーロドルのバイナリーオプション(オプショントリガー)をつける動きが活発となったことが背景にあります。

 

日銀の政策決定会合が開催され、午後には政策金利が発表される予定となっています。今回の決定会合は金利据え置きの可能性が高く、マーケットでは利上げはほとんど考えていない状態ではありますが、8月あるいは9月と予想されている次回利上げについて、今回の会合の中で「何人かの審議委員が利上げを主張するかによって判断できる」とされており、その意味で今回の会合が注目されているようです。

 

FXマーケットがどこまで日銀の利上げを織り込んでいるのかは不明ですが、資金市場では75%程度の織り込み度合いとなっており、利上げの可能性は高いといえます。仮に円金利を0.25%上げたとしても、その他の主要通貨との金利差に大きな影響はありませんが、米国のように景気減速の可能性が高い通貨は将来的にドル利下げの可能性もあるため、現在の低金利である円からの逃避の図式の源泉である金利差が急速に縮小する可能性も残されています。

 

その場合、外貨に逃避している資金が日本に還流を開始する可能性もありますが、欧州通貨などは依然として堅調な経済状態を継続しており、米国への投資から欧州への投資へと変わるだけで円の大量還流には繋がらないと思われます。ただし、ここ数年は対欧州通貨・オセアニア通貨でのドル売りが続いている中、円は更に売り込まれて最弱の通貨になっていることは確かであり、ドル円を中心としての円買い戻しによってドル円の急速な円高、あるいはクロス円での調整的な円高が中期的に起きてもおかしくない状況になっています。

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材料の折込度合い

ここ最近は相場を動かす材料が比較的に多く、FXマーケットにもトレンドが出やすくなるのではと思っています。まず、月曜日に発表された日銀短観ですが、こちらは市場予想と同じ結果だったため、市場には大きな影響を与えなかったように見えますが、市場予想が比較的良い数字を見込んでいたこともあり、その場では反応しなかったドル円もその後の北米市場では長期金利の下げと言うカタチでドル売りにつながり、123円台の重さを確認して122円前半での取引となっています。

 

先日はRBA(オーストラリア中銀)の政策金利発表があり、こちらは市場予想通りの据え置きとなっていますが、声明からは依然としてインフレに対する警戒感がにじみ出ており、今後の利上げに含みを持たせた格好となっています。ここからは未来の話になりますが、これからECB(欧州中銀)、BOE(英国中銀)の金融政策決定理事会が行われる予定となっており、ECBでは金利据え置き、BOEでは0.25%の利上げが行われるという予想が台頭しています。

 

BOEは前回の理事会の中で5対4で据え置きとなっており、4人の利上げ票があったことから今回の利上げはほぼ確実とされています。マーケットではBOE理事会でのサプライズを期待することが多く、一部では「0.5%の利上げも」という声もあるようですが、予想通り0.25%の利上げは間違いないものと思われます。逆読みすれば、今後もう一度の利上げを見込むことが多くなり、理事会後の声明でタカ派的な発言はある程度織り込んでいる中、ハト派的な発言には大きなポンド売りの値動きを伴う可能性が高いといえます。ECBは前回利上げを行ったばかりということで、再度利上げを行うか、あるいはインフレに対する懸念が後退するかどうかに注目が集まっている状態にあり、こちらもマーケット参加者の多くはタカ派的な発言を期待していることから、逆の発言へのリアクションが大きくなる可能性が高いといえるでしょう。

 

その後は米国の雇用統計が発表されます。前回の15万7,000人の非農業部門新規雇用者数に対して、現状では12万5,000人程度の予想が立っています。全体的な流れから見ると若干悲観的な数字であり、このとおりであればドルに対する売りバイアスが掛かるものの、既にこの数字を織り込んでいることを考えるとドルを買い戻すようないい数字が出た場合のほうがリアクションは大きいと考えます。経済指標や政策決定理事会などの声明では、相対的なレベルよりマーケット参加者がどのような予想を立て、その予想がどこまで市場に織り込んでいるかによって、短期的な相場の方向性が決まるといって過言ではありません。相場は為替(FX)だけでなく、需給やファンダメンタルズも重要ですが、投機的なポジションがどちらに傾いているかを予想して市場参加者が起こす次のアクションを想定しながらポジションを取ることが重要となります。その意味では推理力や観察力が非常に重要になってきます。実際、fx 業者や銀行間で取引に従事している人間はプライスアクションと言われる値段の動きや出会い方、あるいは取引を行っているネームなどで次の方向性を決めることは多々あります。経済指標などを見るときは、多くの市場参加者がどのように考えて行動するかを考えると相場の方向性が見えてくることが多くあります。

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